私は派遣職員なのでほぼ残業もなく、ほとんど毎日定時で帰宅しています。
昨日の帰りも、事務所を一番初めに出たのは私でした。
職場の敷地はとても広く、建物を出てから駐車場まで2~3分歩かなくてはならないんです。出掛ける予定があったので、早く帰って夕食の支度をしようと、急ぎ足で駐車場へ向かったのですが…
ふと視界に入ったのは、一匹の仔猫。
敷地内の道路の真ん中に、茶色のふわふわした毛の仔猫がポツンと座っていました。
あわてて道路から拾い上げてみると、周りで仔猫の鳴く声が…
気が付くと、近くにあった植え込みの陰から3匹の仔猫が出てきました。
海がすぐ近くのため、周りは防風・防砂林が多く、そこにカラスの巣がたくさんあるんです。
仔猫を狙ってなのか、周囲にいるカラスの数がいつもより多い気もする…
無類の猫好きの私は、放っておけなくて、かといって賃貸のマンションに4匹も連れて帰ることも出来ず、途方に暮れてしまいました。
後から退社してきた職場の人も足を止め、さてどうしよう…と頭を悩ませます。
とりあえずダンボールを持ってきて、手分けをして引き取ってくれるペットショップがないか、知人や友人で飼ってくれる人がいないか電話をしたり…
けれど、ペットショップからはすべて断られてしまい、飼ってくれると即答してくれる人も見つかりませんでした。
そこに、近くにある中学校の陸上部の子達がやってきました。その中の1人は、手の中に仔猫を抱いていました。
彼ら(14~5人位いたように思います)はランニングの途中で、私より先に仔猫を見つけていたのだそうです。はじめ5匹いたのが気付くと1匹いなくなってしまい、みんなでいなくなった仔猫を探していたのだと言いました。
彼らの優しさのおかげで、はぐれた子は他の兄弟のところに帰ってこれたのです。
さて、5匹の仔猫、どうしようか…
大人も子どもを入り混じって、おおいに悩みました。
30分以上、みんなでああでもないこうでもないと…
そのうち、1人の女の子がキッパリと言いました。
「この子達、連れて帰ります」
…と。
それを機に、中学生たちは、
「学校に連れて行って、飼い主を探そう」
「飼い主が決まるまで、先生に頼んで部室で面倒みればいいよ」
口々に、そんな温かい言葉を言ってくれたのです。
近くまで車で送ろうか?と声を掛けましたが、みんなで一緒に連れていくから平気です、と笑顔で答えが返ってきました。
仔猫が入った段ボール箱を交代で持ち、覗き込んだり抱き上げたりしながら学校へ戻っていく彼らの後姿、目に焼き付きました。
彼らなら、きっと素敵な飼い主を見つけてくれるだろうな、と、安心して見送ることが出来ました。
秋葉原で、無差別通り魔などどいう命の重さを考えもしない卑劣な事件が起きていますが、小さな命を守ろうとする優しさを持った子どもたちに出逢えて、本当に胸が温かくなりました。