嫉妬心 Ⅲ

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茶まだら天使
2008年9月25日 23:13 | 茶まだら天使
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完全公開 嫉妬心 Ⅲ

大人になってから、若くもないのに、
こんなに嫉妬され、攻撃を受けるなんて思わなかった。

A子先生は私の絵の先生だった。
A子先生の方が私より年上だったが、さほど気にならず、
親切でそこそこ綺麗で優しい先生だと思っていた。

A子先生が遠くへ引っ越してしまったので、
A子先生に習うのは難しいと考え、
他の絵の先生を探してみた。

B太先生という男の先生が近場にいたので、
その先生の元で習うことになった。
B太先生は年下だが、礼儀正しい紳士であった。

A子先生とB太先生は、ネットを通じて既に知った仲だった。
A子先生は数年前に離婚していたし、
B太先生も最近離婚したらしいことは聞いていた。

だから、二人が付き合うことは何ら不思議ではなかったし、
むしろ私は二人のことはそれぞれに良い先生だと思っていたから、
二人の交際を応援していた。

B太先生の元で習い始めてから数か月後、
朝、A子先生がB太先生の家にいるのを度々見かけるようになった。
泊まっているということがすぐに分かったが、
私がB太先生の家にレッスンに伺うと同時にA子先生は自宅へ帰る。

大人同士の付き合いだし、彼らは互いに独身なのだから、
二人が深い関係なのは明らかだったが、
それについて別段どうとも思わなかった。
かえって、私がレッスンに来ることでA子先生が帰らなければならないのが、
少々気の毒だったが、A子先生も自宅で仕事があるのだから、
まぁ私が来なかったとしても、自宅に帰るのであろう。

そんなことがちょいちょいあってしばらくすると、
私のブログに奇妙なメッセージが来た。
「チャコ」という離婚歴のある独身女性を名乗る女性から、
「B太先生とA子先生の元でレッスンしている『チャコ』です。
同じ生徒としてお友達になりましょう。」という内容だった。

フレンドリーな感じで、親しみを覚えた私はとても嬉しく思い、
すぐにブログ内でのやりとりが始まった。
やりとりが進むにつれて、チャコさんは自分の性癖を暴露するようになった。
そして、それについての私の反応やコメントを楽しんでいる気がした。

B太先生の元へレッスンに行ったある日、
私はチャコさんのことをB太先生に聞いてみた。
「どんな方?」、「どのくらいの割合でここにレッスンに来るの?」
「すごく楽しい人よね、チャコさんて」等々、
今思えば馬鹿らしいことを、私はB太先生に、はしゃいで聞いていたことになる。

チャコさんは、私の友人たちのブログへもちょこちょこ顔を出し、
卑猥なコメントを書き込んでいた。
そして、誘導尋問のような質問をよくし、
「B太先生が付き合ってる人知ってますよ」
などと、興味を湧き立たせる発言を得意としていた。

私の絵仲間で、B太先生と親しい友人が、
あるときこう言った。
「A子先生には気を付けた方がいいよ。沢山のIDを持っていて、
色んな人になり済ましているから。」

そのとき、初めて私は気付いた。
親しくやりとりをしていたチャコさんは、A子先生だったのだ。
恐ろしい・・・・と、思った。
人の心をもてあそび、私の動向を偵察しているのだと悟った。

今思えば、B太先生は私に忠告していたのだ。
「ブログには色んな人がいるから、安易にお友達にならない方がいいですよ」と。
もちろんB太先生のこの発言は、チャコさんがA子先生だということを知っている故の、
暗に、「チャコさんには気を付けて」という意味で発信した言葉なのだが、
そのことに当時全く気付かなかった私は、そんなB太先生の言葉など気にも留めなかった。

ほどなくして、A子先生はブログを脱退し、証拠隠滅を図った。
しかし、私の仲間は、A子先生の扮したチャコさんのコメントを見ているし、
そのような人間が存在するということを、認識してくれたことは嬉しい。

A子先生とB太先生は、その後、結婚し、四国で活動していると聞いている。
彼らの活動は、ネットで検索すればヒットするほど、その業界では有名だ。
しかし、A子先生の裏の顔を知っている私は、
人間とは、摩訶不思議な生き物だと感じるばかりだ。

B太先生については、A子先生の行動を知っていたのだから、
同罪ともいえなくもないが、A子先生に惚れていた立場としては、
致し方ないとも言える。
B太先生の不幸な生い立ちを考えたら、
言わば、B太先生を養うほどの経済力で現れたA子先生は、
B太先生にとって、正に救世主といえるのだから。

彼らが今後、どのような活躍をするかは分からない。
けれども、このような人が、良い生き方をしていくとは、到底思えない。


嫉妬心を、このような形で消化していったA子先生・・・・
存在しないエロチックな人物になりすまし、平然とリアルで会える神経。

私は、そんな風に人を踏みにじるようなことだけはしたくない。

ただ、まだ救いは、そうやってリアルで会った際、
私と余り目を合わせなかったA子先生ことを思い起こすと、
そういうことをするA子先生も、自分の行動に少しは良心の呵責が、
あったのかもしれない、、、と、思うのは私だけであろうか・・・。

二人は結婚するのだから、A子先生が嫉妬を燃やさずとも良さそうなものなのに。
それとも、A子先生はB太先生を信じ切っていなかったということなのか?
はたまた私がB太先生を誘惑するとでも思っていたのだろうか?

私にとってB太先生は、尊敬する師匠という以外、特別な感情はなかった。
レッスンの休憩中、時折、ムーディな音楽をかけては部屋の照明を落とすような演出をするB太先生に対し、何かを期待しているのだろうか・・・怪しい・・・と、感じたことはないこともないが、だからといって私が別段想いを寄せたことなど皆無だ。

尊敬という気持ちは好意とかぶるし、それが恋愛に発展することは多々ある。
しかし、私は結婚してる上、A子先生とB太先生の仲を知っている私には全くそんな気は起きない。

今思えば、私がB太先生の元でのレッスン中、
心配のあまりB太先生にメールをしてきたA子先生の受信画面を、
苦笑いしながら私にそっくりそのまま見せたB太先生の行為に対しても、
「B太先生ってひどいな。A子先生が可哀想だな」と、悠長に構えていた私。

『レッスン後、茶まだら天使とどこか出掛けるの?(ウジウジ涙)』という、
不安を忍ばせた乙女心をそのままメールに吐きだしているA子先生に対し、
私は即座に「『行くわけない』ってメールしてあげて!A子先生が可哀想ですよ」と、
B太先生に強く言ったにも関わらず、「いいよ、しなくて」と、のらりくらりするB太先生。

こういったB太先生の、相手女性をやきもきさせる行動も、
A子先生の奇怪な行動に拍車をかけてしまったのかもしれない。



嫉妬心というものはつくづく怖いものだと感じた。

人の心の最も醜悪な部分を見た出来事でもあり、
私にとって、最も悲しく残念で、ひどく傷ついた恐ろしい出来事であった。


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