【恋愛小説】天使が舞い降りた日<81>

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しゅうこ

完全公開 【恋愛小説】天使が舞い降りた日<81>


誰も居ない彼女の部屋で、俺は1人ソファーに腰掛けていた。

今朝、少し用事が在るからと伝えて、彼女から合鍵を借り受けた。

泊まった翌日は、いつもならそのまま帰宅しているから、
彼女は少し不思議そうな顔をしていたが、仕方無い。

―――そろそろ、カナが戻ってくる時間か・・・。

彼女を待つ以外何をするでもなく居ると、昨日の事が思い出される。

俺が当初懸念していた住居の件に関しては、全く問題が無い様だった。

彼女は何も言われなくても、井七里に来るつもりだったらしい。

仕事も控えつつあるとの事だから、落ち着き次第、一緒に住む事になるだろう。

暫くの間は都内まで通う事もあるだろうが、彼女はそれで良いそうだし、
その点については、俺が気にする事も無い様に思える。

ただ、唯一気になる所は、彼女が仕事に対して、
どれ程の気持ちを抱いているのかという事だった。

一部の熱狂的なファンに嫌な思いをしてまで仕事を続けているのだから、
ある程度はこの仕事を気に入っているのだろうと思ったが、意外とそうでも無い様だ。

オーナーの件があったからだとは思うが、俺の印象では、
彼女は精神的に脆い所がある様に見える。

もちろん本来なら芯の強い子なのだとは思っているが、彼女の話を聞いた限りでは、
随分と悩んでいたそうだし、仕事を続けるかを検討しても不思議では無いだろう。

実際、其れなりに仕事を減らしていた様子が窺えた。

しかしながら、そうやって耐えてまで続けていた仕事ならば、
俺と結婚してからも、ずっと続けたいと思うのが普通じゃないだろうか。

俺は別に、結婚したら家に入れという考えは、全く持っていない。

彼女が続けたいと望むなら、無理の無い範囲内であれば、好きにすれば良いと思う。

だが、どうやら、彼女はそこまでの思い入れを、仕事に対して抱いていないらしかった

無理をして働いているんじゃないかと尋ねた時、好きでやっているのだとは答えず、
生活の為なのだと、彼女は言った。

確かにそれは必要な事ではあるが、それだと、今の仕事に拘る必要は無い様に思える。

そこまで自分の置かれている状況について、深く考えた事は無いのかもしれないが・・・。

むしろ、職業に然程こだわらずに働いている方が、世間では一般的だろう。

・・・そういえば、カナは、声優はもっと一般的な職業だと思っていたと言ってたな。

それならば彼女は特に、今の仕事に拘っている訳では無いのだろうか。

普通の会社勤めと同じ感覚でいるのなら、彼女の言動も頷ける。

―――だとしたら、声優を続けているのは、実家に居たく無いからなのか?

昨日の話し様からだと、彼女は父親に対して、
少しばかり余所余所しい態度を取っている様に思えた。

母親が生きている頃から、父親は忙しく家に殆ど居なかった様だったし、
寮に入ってしまえば、尚更顔を合わせる機会も減った事だろう。

彼女の生い立ちからすると、父親を苦手に感じていても妙では無い。

俺は、彼女を悩ませている事は、母親を早くに亡くした事だと思っていたが、
実はそうでは無く、両親、という事なのだろうか。

・・・・・・この事に関しては、まだ断定すべきでは無いな。

近いうちに3人で会う事になるのだし、その時の様子を見てから判断するのが、
一番良い様に思える。

突然、インターホンの音が、耳に入った。

・・・俺が出てしまっても、問題無いんだろうか。

もしオーナーだったとしたら、面倒な事にもなりかねないしな・・・。

少し悩んでいると、あまり間隔を置かずに、再び高めの音が部屋中に鳴り響いた。

・・・宅配便かもしれないな。

その程度なら、さほど問題は無いか。

そう思って端末に向かうと、モニターにはカナが写っていた。

「鍵を持って行かなかったのか?」

彼女は、俺の声を聞いて、嬉しそうな面持ちに変わる。

「持ってますけど、義人さんが居るかなぁって思って・・・。 開けてもらって良いですか?」

開錠ボタンを押すと、彼女の視線が動き、俺に手を振ってその場を立ち去った。

カナの帰宅までには、丁度間に合ったな・・・。

玄関に行き、そちらの鍵も開けた。

先程のモニターに写った彼女の表情は、あの男の話をしている時とは打って変って、
非常に晴れやかな物だった。

・・・仕事の事で悩んでいる時に、あの男との一件があったから、
あそこまでの状態になったんだろうな。

今だって、あの男の手元に鍵があるという条件は変わっていない。

それなのに今は、いつもと変わらない、可愛らしい笑顔を見せている。

―――この様子だと、それ程俺が気にする事も無かったかも知れないな・・・。

そう考えていると、玄関の扉が開き、大きな紙袋を手に持った彼女が部屋に入ってきた。

これを持っていたから、鍵を出すのが面倒だったんだな。

「それ、どうしたんだ?」

紙袋に視線を向けながら、彼女に尋ねた。

「・・・あぁ、これですか? 
事務所に寄った時、受け取ってきて・・・、・・・義人さん、これ・・・・・・。」

彼女が早くも気が付いて、ドアの方を凝視する。

「さっき付けたんだ。 ・・・これは補助鍵だから、それ程問題は無いはずだよ。
鍵の交換は、色々と問題があるらしいからな。」

少しあっけに取られた様子で俺の話に耳を傾けた後、再び補助鍵に目をやった。

彼女は、ほんの暫くの間考え込んでいたが、俺の方を見て口を開いた。

「私・・・、鍵の事はあまり考えない様にしてたんですけど、でも、やっぱり・・・・・・。
これを見て、何だかほっとしました。」

そして、いつもの穏やかな笑顔を浮かべる。

―――やはりカナは、少し無理をしてたんだな。

これで当面は、あの男の件で彼女が不安定になる事は、おそらく無いだろう。

彼女の嬉しそうな面持ちを見つめていると、安らかな気持ちが湧き出てきた。



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sa-e07さん、こんにちは。 義人さんって優しいなぁって、書いてて私も思ってしまいます(笑)

by. しゅうこ

義人さんやさしいな~理想の男だわ
(^。^)

by. sa-e07

tukikoさん、こんばんは。 2人は遠距離恋愛なので、義人さんも余計に気掛かりだったでしょうね^^

by. しゅうこ

補助鍵付ければ安心できますね。義人さんも。

by. tukiko

angelさん、おはようございます。 カナちゃんは、義人さんのお母さんにお人形さんって言われてましたし、きっとそんな感じなのだと思います^^ 義人さんは・・・、angelさんのご想像通りという事で(笑)

by. しゅうこ


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カナちゃんって、可愛いんだろうなぁ~
義人さんて、ステキなんだろうなぁ~
カナちゃんのお父さんて、どんな人なんだろう・・・

by. angel☆

ミリオンベルさん、こんばんは。 紙袋の中身は、次回解ります^^ 事務所に寄った時に受け取ってきた物なので、義人さんの着替えでは無いですね(笑)

by. しゅうこ

べにこさん、こんばんは。 義人さんは、本当に細やかな人だと思います^^; 実家がサービス業をしているからでしょうか^^

by. しゅうこ

やっぱりカナちゃんのこと心配なんだ~。
優しいですね。義人さん。
紙袋の中身なんだろう~?
え。着替えとかパジャマかも?~
@。@(*/∇\*) キャ
りんごおいしそうです。^0^

by. ミリオンベル

めちゃ・・・いい男だぁ~ ←この心遣い、やられましたぁ~。 紙袋・・・義人さんの着替えかなぁ^^パジャマとか? ・・・・きゃー#^^#

by. べにこ