これも奥華子さんの曲です。
「時をかける少女」で使われていたので、知ってる方も多いと思います。
この曲を聴くと、初恋の思い出が色鮮やかによみがえってきます。
あたしの初恋は中3の時、歯医者の先生でした。
最初は友達の付き添いで、診療所の中に併設されてる歯科に行っていたんですが。
先生は長くても3年ぐらいで変わってしまうので、同じ先生がずっと常駐するってことがなくて、週に何度か違う先生が来たりってこともありました。
最初、その先生も週に2.3度来るだけだったんですが。
付き添いで行って、診察が終わるのを待ってると、歯科の診療時間も終わりで。
先生がひょっこり顔を出して、からかってくるんですよ。
最初は・・・その先生が嫌いでした。
他の子には普通に接するのに、あたしにだけはいつも意地悪いことばかり言うから。
歯科検診で虫歯が見つからなかったので、付き添いで行くぐらいだったんですが。
何年か前に「抜いた方がいいけど、若いからかわいそうだから、そのままにしておくね」ってかぶせものをして放置された虫歯が痛み出して。
渋々、歯医者に通うことになりました。
その歯は抜いたものの、傷の治りが悪いし、抜いたはずなのに痛みが続くので。
紹介状を持って、口腔外科で一回診察を受けても原因がわからず。
保健室に通う代わりに「歯が痛いから」っていって、歯医者に頻繁に通うようになりました。
通うようになってから、歯科衛生士さんと雑談してるところに、先生が割り込んできたり。(他の患者さんの治療中なのに・・・)
先生、何度も注意されてるんですが、一向にお構いなしって感じで、余裕のあるときは雑談に混ざってくるんです。
あたしをよく笑わせてくれました。
あまりに賑やかなので、内科の方から「うるさいです」って注意されたこともしばしばあるんですが、一応その場は謝るんですけど。
先生は一向にお構いなしで。
からかってくる嫌な先生から、なんか気になる人へ変わっていくのは時間の問題でした。
少しでもかわいく見せたくて、掃除の時間はトレパンに着替えるんですが(そのトレパンが水色でださいのなんのって・・・)それが嫌で、わざと掃除中も制服で、予約の時間に制服で行ったり。
少しでもかわいく見えるように、髪の毛をいじったり。
スカーフいじったり。
たまに女医さんが来るんですが、女医さんだとがっかりした顔がもろにでてたんでしょうね。
「ごめんなさいね、次回は○○先生が診察してくれるから、今日は我慢してね」
「次回は○○先生の日に予約入れるからね」
などなど・・・。
周囲にはあたしの気持ちなんてバレバレで。
でもあたしは恋だと認めたくなくて。
そんな風に穏やかな時間がずっと続いていくものだと思っていました。
ずっとその時間の中にいたいと思っていました。
でも時間はどんどん過ぎていくし、変わっていってしまうんですよね・・・。
噂で、先生が3月いっぱいで他の病院に勤務することが決まったと聞いて。
ショックでした。
会いたくなったらいつでも会えるって思ってましたから。
幼なじみが気を利かせて、歯科に電話して。
あたしがらみだってすぐにわかった歯科衛生士さんが気を利かせてくれて、ほんとは勤務中の私用電話は禁止なのに、あたしに変わってくれて。
告白はできませんでした。
あのとき、もし気持ちを伝えていたら、なにかが変わっていたのでしょうか・・・?
時々、タイムマシーンがあるなら、あの日に戻りたいと思うことがあります。
あの日々は、あたしにとって特別でした。
どこにも居場所が無くて、いつも一人だったあたしに居場所を作ってくれて。
いつも笑わせてくれて。
優しくしてくれて。
嫌なことも多かったけど、タイムマシーンがあるなら、あの日に戻りたいです。
ガーネットをはじめて聴いたとき、窓から差し込む夕日と、先生の優しい目と声と、温かい手を思い出しました。
ガーネットの歌詞があの頃のあたしの気持ちと重なる部分があるので、聴くと胸が少し切なくなります。